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Font Preview

Webフォント設計の判断基準|数値より先に考えるべきこと

2025-11-15

:::note ※数値を決める前に読む「設計思想」記事です。各論は子記事へ。 :::

この記事の目的

フォント設計で最もよくある失敗は「数値から入る」こと。

「line-heightは1.8がいいらしい」「letter-spacingは0.05emが推奨」——こういう情報を集めても、実際のサイトで「なんか違う」となる。

**数値は文脈で決まる。**この記事では、数値を決める前の判断軸を整理する。

💡 すでに数値で悩んでいるなら → Font Preview で実際に試しながら調整


私がフォント設計で学んだ3つの原則

原則1:日本語と欧文は別物として扱う

15年Webをやってきて、最も多く見た失敗がこれ。

海外のUIライブラリをそのまま使うと、line-height 1.4〜1.5 が適用される。日本語だと窮屈で、長文を読む気が失せる。

私は日本語本文では line-height 1.7 を基準にしている。迷ったらここに戻す。それで破綻したことはない。

欧文なら 1.5 で十分。日本語に同じ数値を使うと失敗する。

原則2:フォントによって「正解」が変わる

游ゴシックとNoto Sans JPでは、同じ 400/700 でも太さの印象が違う。游ゴシックは繊細で上品。Noto Sans JPは視認性重視でやや太め。

数値表を鵜呑みにすると、フォントを変えた瞬間に破綻する。

私はフォントを変えたら、行間・字間・ウェイトをゼロから見直す。面倒だが、これをサボると必ず後で直すことになる。

原則3:「何もしない」が最適解のことが多い

letter-spacingを触りたくなる気持ちはわかる。でも、日本語フォントは最初から適切な字間で設計されている。

私は日本語本文のletter-spacingを触らない。見出しで調整するとしても 0.03em まで。それ以上広げたくなったら、フォント選びを疑う。

無理に広げると「デザインしている感」だけが残る。読者には伝わらない。


迷ったときの判断

迷い私の判断
line-heightを決められない1.7 に戻す
letter-spacingを広げるか悩む広げない
font-weightを何種類使うか400/700 の2種類
Webフォントかシステムフォントか読み込めなかったときを想像して決める

これで困ったことはない。


フォント設計で「やってはいけない」こと

全体に一律適用

/* ❌ 見出しと本文で最適値は違う */
* {
  letter-spacing: 0.1em;
  line-height: 1.8;
}

見出しは文字が大きいので、相対的に狭い行間でいい。本文と同じ行間だとバラバラに見える。

数値表を暗記して終わり

「line-height 1.8」「letter-spacing 0.05em」を覚えても、フォントが変われば、画面サイズが変われば、文脈が変われば、すべて変わる。

数値を覚えるのではなく、判断プロセスを覚える。

最終確認せずに納品

どんなに理論的に正しくても、実機で見て「読みにくい」なら間違っている。

私は必ずスマホ実機で長文を読む。PCモニターでは気づかない問題が見える。


この記事から読むべき子記事

目的別に選んでください。

状況読むべき記事
行間で悩んでいるline-heightの最適値を探る
字間を調整すべきか迷っているletter-spacingの調整ガイド
ウェイトの選び方がわからないfont-weightの数値と見た目の対応
フォールバックで事故りたくないfont-familyのフォールバック指定
可変フォントを使うか迷っているVariable Fonts入門
Google Fontsの読み込みを最適化したいGoogle Fontsの読み込み方法
実際に試しながら調整したいFont Previewの使い方

結局どうするか

数値を覚えるな。判断できるようになれ。

迷ったら line-height 1.7、letter-spacing 0、font-weight 400/700。ここに戻せば破綻しない。