Web配色は「美しさ」ではなく「事故を減らす設計」
:::note ※配色を決める前に読む「思想」記事です。各論は子記事へ。 :::
このツールを作った理由
配色で最もよくある失敗は「美しさ」から入ること。
補色、類似色、トライアド。色彩理論を学んでも、実際のサイトで「なんか違う」となる。
色で起きる事故は「美しさ」の問題ではない。「読めない」「見えない」「区別できない」の問題。
私が配色で一番恐れているのは、ユーザーがエラーメッセージに気づかないこと。赤と緑で「成功/失敗」を表現したら、色覚特性のあるユーザーには見えない。
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私が色で一番恐れていること
恐れ1:読めないテキスト
薄いグレーのテキスト。デザインとしては「洗練されている」。でもコントラスト比 2.5:1 では、目が疲れている人には読めない。
**「読みにくい」と言われたら終わり。**色を変えるしかない。
恐れ2:区別できないステータス
赤と緑でエラー/成功を表現した。日本人男性の5%は赤緑の区別が難しい。20人に1人が見えない。
色だけで情報を伝えると、必ず誰かが困る。
恐れ3:「ダサい」と言われること
正直に言う。私が一番恐れているのは、クレームと改修コスト。
「読めない」はクレームになる。「区別できない」は事故になる。「ダサい」は言われるだけで終わる。
だから私は、美しさより読めることを優先する。
調和より優先すべきもの
| 優先順位 | 項目 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | コントラスト比 4.5:1 以上 | 読めなければ意味がない |
| 2 | 色だけに頼らない | 色覚特性のあるユーザーへの配慮 |
| 3 | 実機での確認 | モニターによって色は違う |
| 4 | 色彩調和 | ここまで来て初めて「美しさ」 |
**調和は4番目。**最初に考えるのはコントラスト。
WCAGを守る本当の理由
「アクセシビリティのために」というのは建前。
私がWCAGを守る本当の理由は、クレームと改修コストを減らしたいから。
- 「読みにくい」とクレームが来たら、色を変えるしかない
- 公開後の改修は、設計時の10倍コストがかかる
- WCAGをクリアしていれば、「基準を満たしています」と言える
守るのが正しいからではない。守った方が楽だから。
配色理論を「信じていない」理由
補色、類似色、トライアド。色彩理論は正しい。でも、私はそのまま使ったことがほとんどない。
理由1:理論通りにするとコントラストが足りない
補色を180°反対から取ると、明度が近くなることが多い。明度が近いとコントラストが取れない。結局、明度を手動で調整する。
理由2:UIは3色で十分
補色やトライアドは「バランスの良い配色」を作る理論。でもUIは、ベース・テキスト・アクセントの3色で十分。
理論に従って5色作っても、使う場所がない。
理由3:理論を知らなくても「安全な配色」はできる
グレー系のベースに、青のアクセント。これで失敗することはほぼない。理論を知らなくても、事故らない配色は作れる。
この記事から読むべき子記事
目的別に選んでください。
| 状況 | 読むべき記事 |
|---|---|
| 色の基本を知りたい | Webデザインの配色、最低限これだけ |
| HEX/RGB/HSLの違いを知りたい | HEX・RGB・HSLの使い分け |
| 配色ルールを知りたい | 補色・類似色・トライアドの選び方 |
| コントラスト比を確認したい | コントラスト比とWCAG基準 |
| 色覚多様性に配慮したい | 色覚多様性に配慮した配色 |
| CSS変数で管理したい | CSS変数でカラーパレットを管理 |
| ツールの使い方を知りたい | Color Palette Generatorの使い方 |
結局どうするか
美しい配色を作ろうとするな。事故らない配色を作れ。
コントラスト比を確認しろ。色だけで情報を伝えるな。実機で見ろ。
それができてから、初めて「調和」を考える。